中学3年理科の化学分野では、「金属のイオン化傾向」が重要な単元の一つです。これは、金属が電子を失って陽イオンになりやすい順番のことで、金属の反応性の強さに関係しています。たとえば、「水素よりイオン化傾向が高い金属は酸と反応して水素を発生する」など、入試や定期テストでよく問われる内容です。
本記事では、「イオン化傾向の覚え方語呂」「金属同士の反応例(CuとZnなど)」「電池のしくみとの関係」など、わかりやすく整理された要点と演習問題つきで、テスト対策をしっかりサポートします!
金属のイオン化傾向


金属は電解質の溶液に接すると、陽イオンとなって溶液中にとけこむ性質がある。この性質を金属のイオン化傾向という。その強さは金属の種類によって異なり、金属をイオン化傾向の大きさの順にならべたものをイオン化列(電気化学列)という。
重要ポイント
・イオン化傾向が大きい金属ほど反応しやすい
・イオン化傾向が小さい金属ほど反応しにくい
・電子を失いやすい金属ほどイオン化傾向が大きい
・イオン化傾向が大きい金属ほど反応しやすい
・イオン化傾向が小さい金属ほど反応しにくい
・電子を失いやすい金属ほどイオン化傾向が大きい
イオン化傾向と化学的性質
- 一般に、イオン化傾向の小さい金属ほど化学的に安定である。
- イオン化傾向の大きい金属ほど酸化されやすい。還元する力が大きい。
- 酸に対する性質として水素よりイオン化傾向の大きい金属は、酸の水素イオンH+に電子をあたえて水素を発生させる。 (例)Zn + 2H+ → Zn2+ + H2
- 水との反応としてイオン化傾向の特に大きいK、Ca、Naなどは、水と反応して水素を発生させる。(例)2H2O + 2Na → 2Na+ + 2OH– + H2
金属イオンと金属の反応

イオン化傾向の小さい金属のイオンを含む水溶液に、それよりイオン化傾向の大きい金属を入れると、イオン化傾向の大きい金属は電子を失って陽イオンとなり、かわりにイオン化傾向の小さい金属のイオンがその電子を受け取って原子になって析出する。
イオンにならない原子
原子には、イオンになりやすいものがある一方でなりにくいものもある。
- イオンになりにくい原子:炭素(C)・ケイ素(Si)・窒素 (N)・リン(P)など。
- イオンにならない原子:ヘリウム(He)・ネオン(Ne)・アルゴン(Ar)・クリプトン (Kr)・キセノン(Xe)・ラドン(Rn)など。
イオン化傾向を実験で確かめよう
金属と塩酸の反応実験
- 各金属片を希塩酸に入れる
- 泡(水素)の発生を観察する
- 反応の激しさを比較する
- イオン化傾向の順序を確認する
結果:イオン化傾向が大きい金属ほど激しく反応し、多くの水素が発生します。
イオン化傾向の応用

化学電池
イオン化傾向の異なる2つの金属を電解液に入れると、電池になります。イオン化傾向が大きい金属が負極、小さい金属が正極になります。
金属の腐食
イオン化傾向が大きい金属は腐食しやすいです。鉄にめっきを施すのは、鉄の腐食を防ぐためです。
金属の精錬
イオン化傾向を利用して、金属を鉱石から取り出します。イオン化傾向が大きい金属ほど精錬が困難です。
イオン化傾向テストでよく出る問題
- イオン化列の順序を正しく覚える
- どの金属がより反応しやすいか判断できる
- 化学電池の正極・負極を特定できる
- 金属の腐食しやすさを比較できる
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