「酸化と還元」についてまとめています。「酸化と還元」は、酸素と結びつくのか、酸素をうばうのかという視点が大事です。また、さまざまな「酸化」の実験、「還元」の実験をとりあげているので、1つひとつおさえておきましょう。それでは、中2理科の「酸化と還元」です。
酸化
化合は、2種類以上の物質が結びついて別の物質が生成される化学変化をいいます。
- 酸化…酸素との化合。酸化によってできる物質を酸化物という。
- 燃焼…酸化のうち、火や熱を出しながら激しく進むもの。
金属の燃焼
マグネシウムリボンやスチールウールを加熱すると火を出して燃える。加熱後の物質は、金属の性質が失われ、塩酸に入れても気体を発生せず、加熱前より質量が大きくなる。これらのことから、マグネシウムや鉄(スチールウール)は加熱により別の物質に変化したことがわかります。
- マグネシウムの燃焼(酸化)…マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム
- 鉄(スチールウール)の燃焼(酸化)…鉄+酸素→酸化鉄
- 炭(炭素)の燃焼…二酸化炭素は炭素の酸化物です 炭素+酸素→二酸化炭素
- 水素の燃焼…水は水素の酸化物です。水素+酸素→水
有機物の燃焼
有機物は炭素と水素含んでいるので、燃やすと二酸化炭素と水ができる。
- メタン+酸素→二酸化炭素+水
穏やかな酸化
金属の錆は空気中の酸素によって穏やかな酸化されてできた酸化銅である。酸化を防ぐ工夫として、鉄や銅など錆びないようにするために表面に塗料を塗り、酸化を防止しています。
還元
酸素を奪う化学変化が還元です。還元は、酸化物から酸素を取り出す化学変化で、酸化と還元はひとつの化学変化の中で同時に起こります。
- 酸化銅は還元されて銅になり、炭素は、酸化されて二酸化炭素になります。 2CuO + C → 2Cu + CO2
- 酸化鉄は、還元されて鉄になり、炭素は、酸化されて二酸化炭素になります。
酸化銅を還元して銅を取り出す実験
<手順>
- 酸化銅と炭の粉末の混合物を加熱し、石灰水の様子を観察する
- 試験管に残った混合物の色を観察する。
<結果>
- 石灰水が白く濁る→発生した気体は二酸化炭素。
- 赤色でこすると光る。→酸化銅が銅に変わった
酸化銅と炭素の混合物を加熱する実験
<手順>
- 酸化銅と炭素を乳棒と乳鉢を使ってよく混ぜる
- 酸化銅と炭素の混合物を入れた試験管を加熱するときは、試験管の口を少しさげます。
- 反応が終わったら石灰水が逆流しないようにガラス管を石灰水からにきます。
- 空気調節ねじ、ガス調節ねじの順に、閉めてガスバーナーの火を消します。
- 空気が試験管の中に流れ込み、その中の酸素と銅が化合しないようにピンチコックを閉めます。
還元剤
還元剤として用いられる物質には、大きく分けて、非金属単体、金属単体、化合物の3種類がある。
非金属単体
- 炭素…酸化銅 CuO や酸化鉄 Fe2O3、Fe2O4の還元に用いられる
- 水素…実験室では, 酸化銅などの金属酸化物の還元に用 いられる。例えば、酸化銅とは次のように反応する。CuO + H2 → Cu + H2O
金属単体
- ナトリウム…非常に反応しやすい金属なので、水とも常温で次のように反応する。(2Na + 2H2O → 2NaOH + H2) 。ナトリウムが水分子から酸素をうばって、水素が発生するのだから、ナトリウムが水を還元したことになる。
- アルミニウム…アルミニウムは、酸素と化合しやすい金属なので、ほかの金属酸化物にアルミニウムの粉末を加えて加熱すると、ほかの金属酸 化物を還元することができる。例えば、酸化鉄とは、FeO2+ 2Al → 2Fe + Al2O3と反応する。このような酸化鉄の還元法はテルミット法とよばれる。
還元作用
- アルコール…エタノール(C2H5OH)は燃料としても用いることができる物質なので、酸素と反応しやすいことは理解できるであろう。したがって、酸化銅などの金属酸化物を還元することができる。CuO + C2H5OH → Cu + CH3CHO + H2O
- 硫化水素…硫化水素は、硫黄、水素から成り立つ物質で、空気中で燃焼するので、還元作用をもつ。二酸化硫黄を還元して硫黄を生じる。(2H2S + SO2 → 3S + 2H2O)
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