中学国語の古文では、「主語が書かれていない」「述語が省かれている」など、文章の一部が省略されていることがよくあります。これを「省略(しょうりゃく)」と呼び、古文特有の表現技法のひとつです。テストでも省略された内容を読み取る問題が頻出します。この記事では、古文の省略が起こる理由やその読み取り方のコツを、中学生向けにわかりやすく解説します。定期テスト対策にも役立つポイントをしっかり押さえておきましょう。
なぜ古文ではなぜ省略されるの?
理由は大きく3つあります。
【1】文を短くしてリズムよくするため(和歌や物語の美しさ)
→ 当時の文章は、リズムや響きを大切にしていたから。
【2】同じ内容を何度も書かなくても通じると考えたから
→ 前の文から内容がわかるなら、あえて書かなくてもOKとされた。
【3】話の流れや場面から読者が読み取ることが前提だったから
→ 当時の人は文脈から読み解く力があったので、省略が自然だった。
■ 例
昔、男ありけり。女のもとに通ふ。
→「通ふ」の主語が書かれていないが、「男」が主語だと読み取れる。
古文の省略

古文の省略とは?
古文では、現代文と違って主語や目的語が省略されることが非常に多いです。これは、当時の人々が文脈から内容を理解することが当然だったからです。省略された部分を正しく補って読むことが、古文読解の重要なポイントです。
ここがポイント!
【1】主語や目的語につく助詞「が」の省略
(例)今は昔竹取の翁にといふものありけり
<訳>今となっては昔のことだか、竹取の翁という人がいた。
「もの」のあとに、「が」が省略されていた。
【2】主語や目的語につく助詞「を」の省略
(例)それには色々の魂の玉橋渡せり。
<訳>色々な玉でできた橋を渡してある。
「橋」のあとに「を」が省略されていた。
【3】並列や対の関係にある主語の省略
(例)足強気人は、早く、よわきは行くこともおそきも、よく似たり。
<訳>足が強い人は早く進み、弱い人は進むのが遅い点も、よく似ている。
「よわき」のあとに、「人」が省略。
主語の省略

古文では主語が省略されている場合が多い。登場人物を確認し、前後の内容から主語を捉えることが必要。
(原文)男あまたゐる。たいそうののしりあう。
(補った文)男があまたゐる。男はたいそうののしりあう。
(現代語訳)男がたくさんいる。男(たち)は、大騒ぎしている。
目的語の省略

動作の対象となる目的語も省略されることがあります。特に「~を」「~に」などの格助詞とともに省略されます。
「花を見て、(その花を)手に取りぬ。」
「手に取りぬ」の目的語「その花を」が省略されています
<補い方のポイント>動詞の意味を考えて、何を対象にしているかを推測しましょう
述語の省略

文の最後の述語が省略されることもあります。これは会話文や感嘆文でよく見られます。
「いかに美しき花よ。」
→「なんと美しい花(であることか)。」
「であることか」という述語が省略されています
<見つけ方>「いかに」「なんと」などの感嘆の語がある文では述語が省略されることが多い
助詞の省略

古文では助詞が省略されている場合が多い。自然な文章になるように助詞を補って、文脈を捉える。
- 前の文と同じ主語なので省略されている。
- 文の途中で主語が変わることがある。
古文の省略を読み解くコツ

1. 文脈を大切に
前後の文との関係をよく考えて、省略された部分を推測しましょう
2. 敬語に注目
敬語の種類から、誰が主語かを判断できることがあります
3. 動詞の意味を理解
動詞の意味から、省略された目的語や助詞を推測しましょう
4. 登場人物を整理
物語文では、登場人物を整理して誰の行動かを考えましょう
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