【中学公民】新しい人権とこれからの人権保障の要点まとめ

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【中学公民】新しい人権とこれからの人権保障の要点まとめです。

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新しい人権の要点

日照権に配慮【参考】

日照権「個人の尊重に基づき、公共の福祉に配慮したマンション」

新しい人権は、日本国憲法の直接の規定はないですが、産業の高度化や科学技術の進歩など、社会の変化に伴い主張され、認められるようになった人権。

環境権

環境権は、良好な環境を求める権利です。憲法の幸福追求権(第13条)生存権(第25条)を根拠に提唱されました。

幸福追求権(憲法第13条)個人に対して個別に認められている人権だけでは人間らしい生活が保障できない場合、それを補充していく機能を果たす」と考えられています。

【環境権登場の背景】
高度経済成長時代に水俣病などの公害が深刻化しました。その中で公害の被害に対する救済がふじゅうぶんなことが認識され、新たに環境権が主張されるようになりました。

  • 環境基本法(1993)…日本の環境政策の基盤となる法律で、国や地方などの環境保全の責務を定めています。地球環境問題への対応が不十分となったそれまでの法律を全面的に改めたものです。
  • 環境アセスメント(環境影響評価)…環境に影響をあたえる開発に対して、その影響を事前に調査・予測・評価することをいいます。環境アセスメント法で義務づけられています。

【環境権の具体例】
環境権の内容の空港による騒音公害や大気汚染などの公害に対してたびたび訴訟が起こされています。しかし、損害賠償は認められても、個人の環境権は、まだ裁判で認められてはいません。身近な日照権や嫌煙権、景観権(よい景観のもとでくらす権利)などは法律で 守られるようになりました。

【環境権ラベル】
環境ラベル

  • エコマーク(環境保護マーク)…環境保全に役立つ (地球環境にやさしい)製品につけられています。対象商品は幅広く、文房具・事務用品・紙製品など多数。
  • グリーンマーク…古紙の再生利用と緑化の推進を目的に、古紙を原料とした紙製品(トイレットペーパーなど)につけられています。
  • 省エネラベル…省エネルギー型の家電製品や照明器具、ストーブなどにつけられています。
  • リサイクル識別表示マーク(プラスチック製容器包装)…分別回収を促進して資源の有効利用を図るために、洗剤やカップめんなどのプラスチック製容器包装につけられています。

知る権利

情報を受け取る権利。

  • 継承の背景…国民が主権者として政治に参加する様々な情報の入手が重要であるため。
  • 情報公開法…国の官庁の持っている情報を、国民の要求に応じて公開すること定めた法律。

【知る権利登場の背景】
社会が複雑になり、行政・マスコミ・コンピューターの働きが大きくなるにつれて、国民が主権者として政治をコントロールするためには、いつでも正確な情報を広く知ることが大切になってきました。

【情報公開制度】
国や地方などの公的機関が、情報公開を要求された場合、その情報を開示することを義務づける制度です。情報公開制度は、透明な行政の実現をめざす地方公共団体が、国に先立ち情報公開条例を定めて実施してきました。

  • 情報公開法(2001年施行)…国の省庁が持つ情報(行政文書)の原則公開が義務づけられました。
  • 国の情報公開のしくみ…情報公開法では、情報の開示請求は、日本国民だけでなく外国人にも認められて います。

プライバシーの権利

個人の私生活に関することが公開されない権利。情報社会では、本人の知らない間に名前、住所、電話番号などの個人情報が流出して、他人に利用される恐れがある。

  • 個人情報保護制度…個人情報保護法(2003制定)により、国・地方公共団体や企業の情報管理者など個人情報を慎重に管理するように義務づけられてる制度。
  • 個人情報のコントロール権…1988年に公的機関が持つ個人情報の保護を定めた法律が制定されました。個人情報のコントロール権によりプライバシーの権利は、公的機関の保有する個人のデータについて知り、そのデータが誤っていれば訂正・修正させる権利へと広がりました。

【プライバシーの権利登場の背景】
行き過ぎた犯罪報道や社会記事 により個人の知られたくないプライバシーがあばかれる事態がしば起こり、個人情報の保護が求められるようになりました。

自己決定権

個人が自分の生き方や生活の仕方について自由に決定する権利。医療技術の高度な発達により、生命、身体の尊厳への関心の高まりが、自己決定権への高まりとなり、自己決定権の主張するようになりました。

  • インフォームド・コンセント…医者から十分な説明に基づく同意。治療を受ける患者の自己決定権のために重要。
  • 尊厳死・安楽死…尊厳死を自ら選択する自己決定権としての主張。一方で、尊厳ある死を迎えられるように、生命維持装置を除去することや、医師などが安楽死の処置することに対しては、議論が続いています。
  • ドナーカード(臓器提供意思表示カード)…脳死や心臓が停止した後に、臓器を他者への移植のために提供する意思があるかどうかをあらかじめ記入する。臓器提供者の自己決定権を尊重するものです。

【自己決定権登場の背景】
医療技術の高度な発達で、体外受精による人間の誕生から、死のむかえ方、死後の臓器移植にいたるまで、人間の生命と身体の尊厳にかかわる問題が浮上し、人権の核となる生き方を自己決定するという角度からの議論が起こってきました。

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