中学生の国語で学ぶ「敬語」は、正しく使い分ける力が求められる重要な単元です。尊敬語・謙譲語・丁寧語の違いがあいまいなままだと、テストでもつまずきやすいポイントになります。この記事では、それぞれの敬語の特徴や覚え方をわかりやすくまとめ、高校入試に出やすい練習問題も紹介します。苦手を克服して、しっかり点数につなげましょう!
敬語の要点
基本形 | 尊敬語 | 謙譲語 |
---|---|---|
行く・話す | おっしゃる | 申す・申しあげる |
行く・来る | いらっしゃる・おいでになる | うかがう・まいる |
与える・やる | くださる | あげる・さしあげる |
食べる・飲む | めしあがる | いただく・頂戴する |
する | なさる | いたす |
誤りやすい敬語に注意
- 尊敬語と謙譲語を混同しない。
- 身内の者に尊敬語は使わない。
- 敬語を重ねて使わない。
- 外来語には普通「お」を付けない。
敬語の間違った例
- 先生がこちらに参る(×)予定です。
- お母さんは、今家にいらっしゃいません(×)。
- お客様がいらっしゃられる(×)。
尊敬語の要点
ある人の動作や事物などを高めることによって、その人に対する敬意を示す表現。
(例)先生が教室に来る。→(尊敬)先生が教室に来られる。
「先生」の動作(=来る)を高める。 「先生」への敬意を示す。
謙譲語の要点
自分や自分側の人(家族など)の動作などをへりくだって、言うことによって、相手に対する敬意を示す表現。
(例)私が先生に予定を伝える。→私が先生に予定をお伝えする。
自分(=私)の動作(=伝える)をへりくだって言う。「先生」への敬意を示す。
(例)母は後から参ります。
自分側の人の動作をへりくだって言う。
謙譲語のうち、自分の側の動作をかしこまって言うことによって、聞き手や読み手を高める表現を、丁重語とよぶことがある。
(例)私は山田と申します。
丁寧語の要点
話し方や書き方を丁寧にすることによって、聞き手や読み手に対する敬意を示す表現。「です」「ます」など。
(例)もうすぐ二時だ。→(丁寧)もうすぐ二時です。
文末(=だ)を「 です」に変える。 聞き手への敬意を示す。
丁寧語のうち、接頭語「お」「ご」を使って柔らかく言う表現を、美化語とよぶことがある。
(例)お湯をわかします。 ご本を読みましょう。
【対策問題】敬語の問題
【問1】次の各文の下線部の敬語表現はあとのア~ウのどれにあたりますか。適切なものを選び、記号で答えなさい。
(1)お客様は、ここまでバスで来られる予定です。
(2)利用者の率直な感想をうかがう。
(3)今、校長先生は校長室にいらっしゃる。
(4)紳士服売り場は五階でございます。
(5)案内係がお客様のかばんをお持ちする。
ア尊敬語 イ謙讓語 ウ丁寧語
【問2】次の各文のうち、下線部の敬語の使い方が適切でないものをそれぞれのア~エから一つ選び、記号で答えなさい
(1)
ア 私の両親が先生にお目にかかりたいそうです。
イ 今日、先生は何時ごろにお帰りになる予定ですか。
ウ 私たちは、先生が描いた絵をご覧になりました。
エ 先生は夏休みに外国に行かれるらしい。
(2)
ア 準備が済みましたら、順番にお名前をお呼びします。
イ 詳しいことは、のちほどご説明いたします。
ウ 必要なものがありましたら、遠慮なく申し上げてください。
エ 参加者全員に粗品を差し上げます。
【解答敬語の問題の解答
【問1】
(1)ア
(2)イ
(3)ア
(4)ウ
(5)イ
【問2】
(1)ウ
(2)ウ
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