中学国語で学ぶ和歌は、日本の伝統的な詩の形式であり、美しい言葉と豊かな感情表現が特徴です。
その中でも特に重要なのが、「表現技法(修辞法)」の理解。
「掛詞(かけことば)って何?」「枕詞と序詞の違いがわからない…」という声もよく聞かれます。
この記事では、テストに出やすい和歌の表現技法を例とともにわかりやすく解説し、ポイントを効率よく復習できる要点ノートとしてまとめました。定期テスト・高校入試対策にもぴったりです!
和歌の表現技法
掛詞(かけことば):一つの言葉に二つの意味を持たせる技法
例えば「松(まつ)」は木の松と「待つ」行為の両方を意味する
縁語(えんご):特定のテーマに関連する言葉を集めて詠む技法
例えば「月」をテーマにすると「雲」「影」「光」などの関連語を使う
枕詞(まくらことば):特定の言葉の前に常に置かれる決まった修飾語
例えば「あしひきの」は「山」の枕詞として使われる
対比・対照:対照的な概念や物事を並べて詠む技法
例えば「昼と夜」「咲くと散る」など
序詞(じょことば):前の句から後の句へと自然に導く技法
例えば「山の端(やまのは)」から「待つ(まつ)」へと導く
- 枕詞…特定の言葉の前に置き、調子の整える。意味に特にない。五音の言葉多いのが特徴。
- 縁語…ある言葉と関係の深い言葉のこと。意味には直接関係はないが、歌全体に統一感を与える。
- 掛詞…一つの言葉に二つの意味をもたせる。
枕詞の例
ひさかたの光のどけき春の日に しづ心鳴く花の散るらむ
→天、光、星などに係る枕詞
よく使われる枕詞
- かねさす…日、紫、照るなど
- あしひきの…山、峰、岩など
- あづさゆみ…いる(射る・入る)、はる(張る・春)など
- あらたまの…年、月、日、春など
- あをによし…奈良
- いそのかみ…ふる(古る、降る)など
- うつせみの…人、命など
- からころも…着る、袖、裁つなど
- くさまくら…旅、結ぶなど
- しきしまの…大和、日本
- しろたへの…衣、袖、袂など
- たまきはる…命、世など
- たまのをの…長き、短き、乱る、絶えなど
- たらちねの…母、親
- ちはやぶる…神、社
- ひさかたの…天、月、雲、光など
縁語の例
(1)玉の緒よ絶えねば絶えぬながらへば しのぶことの弱りもぞする
→「絶え」「ながらへ」「弱り」は、すべて「玉の緒」(=命)に関係する縁語
(2)から衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ
→「なれ」「つま」「はるばる」「き」は、すべて「衣」に関係する縁語
掛詞の例
(1)おい立たむありかも知らぬ若草をおくらす露ぞ消えむ空無き
→「老い」と「生ひ」
(2)ささがにのいとはるかなる雲ゐにもたえむ中とは思ひやはせし
→「いと(副詞)」と「糸」
和歌の表現技法をしっかり理解することで、古典の味わい深さや作者の思いをより深く読み取れるようになります。今回のまとめノートを活用して、掛詞・枕詞・序詞などの重要技法をマスターし、定期テストや入試でも自信をもって得点できるようにしましょう!
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