島崎藤村の詩『初恋』は、中学3年生の国語で学ぶ代表的な近代詩の一つです。繊細な心の動きと、初めての恋のときめきが、やわらかな表現で描かれています。テストでは、詩の内容理解や表現技法、作者の心情を読み取る問題がよく出題されます。この記事では、『初恋』の意味や構成、よく出る表現技法、覚え方のポイントをわかりやすくまとめ、テスト対策に役立つ確認問題も紹介します。しっかり理解して、高得点を目指しましょう!
初恋(島崎藤村)の定期テスト対策問題
次の詩を読んで、次の問いに答えなさい。
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけりやさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなりわがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな
林檎畑の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ
問1 この詩の形式を漢字5字で答えなさい。
問2 「花ある君」とはどのような意味ですか。次から1つ選びなさい。
ア 髪に花をさしたあなた
イ 花束を手にしたあなた
ウ 花が一番好きなあなた
エ 花のように美しいあなた
問3 君が幼さを残す少女であることは、どのような言葉からわかりますか。詩の中から9字で抜き出しなさい。
問4 「人こひ初めしはじめなり」の意味を次から1つ選びなさい。
ア 初めて人に恋心を抱いた。
イ 君を初めて好きになった
ウ 初めて人にお願いをした
エ 君との最初の出会いだった
問5 「たのしき恋の盃を 君が情に酌みしかな」とは、「われ」のどんな様子を表していますか。二十字以内で書きなさい。
問6 「おのづからなる細道」は、なぜできたのですか。
問7 「問ひたまふ」について、①主語は誰ですか。詩の中で1語で答えなさい。②その問いの部分の始めと終わりの3字ずつを書き抜きなさい。
問8 次の4つの連は、それぞれどんなことをうたっていますか。あてはまる連の数字を( )に漢数字で書きなさい。
①二人の心が通じ合った喜び
②恋心の芽生え
③二人の愛の深まり
④少女との出会いとその印象
初恋(島崎藤村)の定期テスト対策問題の解答
問1 文語定型詩
問2 エ
問3 まだあげ初めし前髪
問4 ア
問5 恋がかなって喜びに酔いしれている様子。
問6 二人が会うために何度も通ったから。
問7 ①君 ②林檎畑~たみぞ
問8 ①三 ②二 ③四 ④一
『初恋』 島崎藤村のポイント
詩の内容(簡単な現代語訳)
この詩は、「初めての恋」のときめきと切なさを、自然の描写とともにしっとりと表現した作品です。主に「好きという気持ちに気づき、心を奪われていく自分」に戸惑いながらも、それを誰にも言えないもどかしさが表れています。
▶ 詩の一部と意味の例:
「まだあげ初めし前髪の」
→ 髪を結い始める前の少女、つまりまだあどけなさが残る年頃の女の子。
「うぶな心をおしはかる」
→ 純粋な心をなんとなく感じ取る。
「誰にも告げずに心ひそめて」
→ 誰にも気持ちを言えず、密かに想いを抱いている。
表現技法
表現技法 | 使われている例 | 解説 |
---|---|---|
比喩 | 「水に映れる白百合の花」 | 初恋の相手の姿を白百合にたとえている |
擬人法 | 「春の心をうつすように」 | 春を人のように感じさせ、心情を重ねている |
反復法 | 「いとしきものと胸ふさぎ」 | 想いの強さを繰り返しで強調している |
心情描写 | 全体を通して | 「言えない恋心」「ひそやかなときめき」など |
覚え方のコツ
- タイトル「初恋」から、“心の動き”に注目して読むと意味がつかみやすい。
- 「白百合」「春」などの自然のイメージ=感情のたとえと意識する。
- 「誰にも言えない気持ち=心ひそめる」が詩全体のカギになる。
- 表現技法は「比喩・擬人法・心情描写」の3つをセットで覚える!
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