【中2国語】平家物語の定期テスト対策予想問題&テストによく出るポイント

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『平家物語』は、鎌倉時代に成立した軍記物語で、平家一族の栄華と没落を描いた名作です。中学2年の国語では、特に冒頭の「祇園精舎の鐘の声…」から始まる有名な文章や、登場人物の行動・心情、語句の意味、文のリズムや比喩表現などが定期テストに頻出します。本記事では、テストによく出るポイントをわかりやすく整理し、覚えておくべき内容を簡潔に解説します。

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平家物語の定期テスト対策予想問題

A.次の空欄➊に入る語句を漢字、傍線部➌➍は読み方を書きなさい。ただし、➋については、次の選択肢ア~エより一つ選ぶこと。また➎➏は現代仮名遣いを書きなさい(ひらがなでもよい)。

「平家物語」は、( ➊ )時代の十三世紀に成立した( ➋ )で、十二巻から成っています。有名な冒頭は、次の通りです。
祇園精舎の鐘の声、➌諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、➍盛者必衰の理をあらはす。
( ➎ )、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者も遂にはほろびぬ、( ➏ )。

(➋の選択肢)ア:旅行記 イ:歌物語 ウ:随筆 エ:軍記物語

B.次の場面を読んで、次の問いに答えなさい。

ころは二月十八日の酉の刻ばかりのことなるに、をりふし北風激しくて、 磯打つ波も高かりけり。舟は、揺り上げ揺りすゑ漂へば、➊扇もくしに定まらずひらめいたり。 ➋沖には平家、舟を一面に並べて見物す。陸には源氏、くつばみを並べてこれを見る。 いづれもいづれも➌晴れならずといふことぞなき。

与一目をふさいで、
「南無八幡大菩薩、我が国の神明、日光の権現、宇都宮、那須の湯泉大明神、 願はくは、あの扇の真ん中射させてたばせたまへ。 これを射損ずるものならば、弓切り折り白害して、人に二度面を向かふべからず。 いま一度本国へ迎へんとおぼしめさば、この矢はづさせたまふな。」と心のうちに祈念して、目を見開いたれば、風も少し吹き弱り、 扇も射よげにぞなつたりける。

与一、かぶらを取つてつがひ、よつぴいてa.ひやうど放つ。 小兵とb.いふぢやう、十二束三伏、弓はつよし、浦響くほど長鳴りして、 あやまたず扇の要ぎは一寸ばかりおいて、c.ひいふつとぞ➍射切つたる。 鏑(かぶら)は海へ入りければ、扇は空へぞ上がりける。 ➎しばしは虚空にひらめきけるが、春風に一もみ二もみもまれて、海へさつとぞ散つたりける。

夕日のかかやいたるに、みな紅の扇の日出したるが、白波の上に漂ひ、浮きぬ沈みぬ揺られければ、 沖には平家、ふなばたをたたいて感じたり、陸には源氏、 えびらをたたいてどよめきけり。

問1 下線部➊の様子だった翁が、与一が念じるとどのように変化しましたか。その様子を表現した部分を十五字以内で探して抜き出しなさい。

問2 下線部➋と対句になっている表現を抜き出しなさい。

問3 下線部➌の表現技法から次から一つ選んで記号で答えなさい。
ア:対句法 イ:反復法 ウ:係り結び エ:反語

問4 下線部➍の主語を漢字一字で答えなさい。

問5 下線部➎の主語をこれより後から十一字で探して抜き出しなさい。

問6 下線部a~cの仮名遣いを現代仮名遣いになおしなさい。また、擬音語でないものを一つ選んで記号で答えなさい。

平家物語の定期テスト対策予想問題の解答

A
➊鎌倉
➋エ
➌しょぎょうむじょう
➍じょうしゃひっすい(しょうしゃひっすい) 学校で習った通りに書きましょう。
➎おごれる人も久しからず
➏ひとへに風の前のちりに同じ

B
問1 翁も射よげにぞなったりける。
問2 陸には源氏くつはみを並べてこれを見る。
問3 ウ
問4 鏑(かぶら)
問5 皆紅の翁の日出だしたる
問6 aひょう bいうじょう cひいふっ 記号b

『平家物語』(那須与一の扇の的)|定期テストの重要ポイントまとめ

【場面の概要(あらすじ)】

この段は、「那須与一(なすのよいち)」という弓の名手が、平家の船に立てられた「扇の的(おうぎのまと)」を射抜くという緊張感のある名場面です。
源氏と平家の戦の最中、平家が海上の船に扇を立て、与一に「これを射てみよ」と挑発。与一は見事に扇を射抜き、源氏の武勇と気迫を示すことに成功します。

【登場人物と特徴】
登場人物 特徴・役割
那須与一 源氏側の若武者。弓の名手で、冷静沈着。見事に扇を射抜く。
平家の兵 船に扇を立てて挑発。美しい身なりや風流な態度が描かれる。
観衆(源氏・平家の兵) 与一の射撃を見守り、成否に注目する。緊張感を高める存在。
【定期テストに出やすいポイント】

① 文章の構成
序(状況の説明):二月十八日の夕刻、風が激しく吹いている状況。
破(出来事の展開):平家が扇を立てて挑発し、与一が馬を海に進めて射る準備をする。
急(クライマックス):与一が矢を放ち、扇を見事に射抜く。

② 与一の心理描写
緊張と冷静のバランスが描かれている。テストでは「どのような気持ちだったか」が問われやすい。

③ 美しい表現と描写

  • 「扇の的」の色・形・動きの美しさの描写 → 風流な文化も表現。
  • 「風激しくして…」という自然描写 → 緊張感を高める演出。

④ 武士の理想像

  • 与一の行動には、勇気・礼儀・冷静さが表れ、当時の理想の武士像が描かれている。
  • 「武士道精神」や「名誉を重んじる心」が反映されている点も評価される。

⑤ 古語・語句の意味

  • 「ころは」=時は
  • 「をりふし」=ちょうどそのとき
  • 「射よ」=射てみよ
  • 「たぐひなし」=並ぶものがないほどすばらしい
『平家物語』では、無常観や栄枯盛衰といった日本古来の美意識が色濃く表れています。定期テストでは、冒頭の暗唱、重要語句の意味、文の構造や人物描写の読み取りが出題されやすいため、場面ごとの内容や心情の変化をしっかりと理解しておくことが重要です。繰り返し読むことで古文特有の言い回しにも慣れ、確実な得点につながります。

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