【中3理科】生命のつながりの要点まとめ・対策問題

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【中3理科】生命のつながりの要点まとめ・対策問題です。

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細胞分裂

細胞分裂
細胞分裂は、1つの細胞が2つに分かれるはたらきです。生物の成長は、細胞分裂により細胞の数をふやし、ふえた細胞が大きくなることで成長します。

染色体

細胞分裂のとき、核の中に見えるようになるひものようなものです。

細胞分裂の観察

根の先端に近い細胞は小さく。細胞分裂がさかんに行われています。

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体細胞分裂

細胞が分裂する前に、染色体は複製されて数が2倍になります。細胞が分裂するとき、染色体は2つに分かれてもとと同じ数の染色体が、分かれた2つの細胞の核をつくります。

体細胞分裂の順序

  1. 体に変化が始まる。
  2. 核の中に染色体が見えてくる。
  3. 染色体は太く短くなって縦に2つに割れる。
  4. 染色体は両方に同じように分かれる。
  5. 染色体がかたまりになり、植物は間にしきりが、動物はくびれができる。
  6. 新しい2つの細胞になる。
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遺伝

  • 形質…生物の特徴となる形や性質。
  • 遺伝…親の形質が子や孫の世代に現れること。
  • 遺伝子…形質を表すもとになるもの。染色体にふくまれます。

生殖のしかたと遺伝

無性生殖では、親の遺伝子をそのまま受け継ぐので、親と同じ形質の子が生まれます。有性生殖では、両親からそれぞれの遺伝子が伝わるため、親とはちがう遺伝子の組み合わせをもつ子ができます。子には両親と異なる形質が現れる場合があります。

  • クローン技術…親と同じ形質をもつ子をつくる技術
  • 純系…親、子、孫と代を重ねても同じ形質になるもののこと
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遺伝の規則性

メンデルの時代には、まだ遺伝子の存在は知られていませんでしたが、メンデルは「遺伝要素(エレメント)」というものを仮定した。

メンデルが行った実験の結果

  1. 子では、すべての個体に両親の一方の形質が現れます。
  2. 孫では、子の両親の一方の形質が現れているものと、もう一方の形質が現れているものとがあります。
  3. 孫での形質の現れ方の比は3:1になっています。

以上が、「形質を伝えるものは、2つ集まって対になっています。両親のこの形質を伝えるものは2つに分かれて、その1つずつが子に伝えられ、子ができるときに新しい対ができる。」とかばえた。

  • 対立形質…丸としわのように、どちらかしか現れない形質どうし。

子の代への形質の伝わり方

丸い種子をつくる形質を伝える遺伝子をA、しわのある種子をつくる形質を伝える遺伝子をaとすると、純系である親の代のエンドウは、AA,aaと表せて、できた子は、すべてAaとなります。Aaの組み合わせでは、Aが伝える形質(丸)しか現れないことを示しています。

  • 優性・劣性…子で現れる形質を、子で現れない形質に対して優性の形質といいます。また、子で現れない形質を、劣性の形質といいます、
遺伝子型
対立遺伝子は、アルファベットで表す。優性の遺伝子を大文字で、劣性の遺伝子を小文字で表す。遺伝子の組み合わせ(AA、Aa、aaなど)を遺伝子型という。遺伝子型がAAやでAaである時は、Aの形質が現れ、aaであるときは、aの形質が現れる。
純系
有性生殖で親、子、孫と代を重ねたときすべての個体のある形質が同じである場合、その形質の純系と呼ばれる。

孫の代への形質の伝わり方

子がAaのとき、孫にはAA,Aa,Aa,aaという組み合わせになります。aの形質を現すのはaaのみで、孫の代には、Aとaの形質を現す固体の数の比は、3:1となります。

分離の法則

対になっている遺伝子は、減数分裂によって分かれて1つずつ別々の生殖細胞に入ります。

減数分裂
植物が生殖細胞つくるときに行われる2回の連続した細胞分裂により、染色体数が半分の新しい細胞をつくる細胞分裂。相同染色体が2つに分かれる。受精すると、できた受精卵の核に含まれる染色体の数は、親と同じになる。相同染色体は、同じ形のペアになっている染色体。
名称 減数分裂 体細胞分裂
しくみ 体細胞→生殖細胞をつくる 体細胞→体細胞をつくる
染色体の数 半減 変わらない

独立の法則

同じ染色体にない2対以上の対立形質の遺伝では、各対立形質は互いに作用し合うことなく、それぞれ独立して遺伝する。例えば、エンドウの種子が丸いものとしわのあるもの、種子が黄色のものと緑色のものとでは、それぞれが互いに影響することなく、独立して遺伝する。

メンデルの法則が成り立つ遺伝

  • ヒトの耳あか:あめ耳(耳あかが湿っている)が優性、粉耳(耳あかが乾いている)が劣性 日本人の多くは、粉耳の遺伝子をもつ。
  • カイコガの卵の色:暗い紫色が優性、淡黄色が劣性

対立形質とは、種子の形と一つの形質について、「丸」と「しわ」のように対となる形質のこと。その原因となっている対になる遺伝子を対立遺伝子という。

ABO式血液型
メンデルの法則とは少しちがう法則で成り立つものに、ABO式血液型がある。ABO式血液型の遺伝子には、A, B, 0の3種類があり、ヒトはそれぞれ、このうちの2つをもっている。
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遺伝子の本体

遺伝子としてはたらく物質があります。遺伝子は、染色体にあり、遺伝子の本体はDNA(デオキシリボ核酸)という物質です。遺伝子の変化に関しては、遺伝子は不変でなく、変化して子に伝えられる形質が変わることがあります。

DNA(デオキシリボ核酸)

遺伝子の本体であり、そのはたらきはタンパク質の合成を支配して、生物の形質が現れることのかぎをにぎっている。DNAは、塩基・糖・リン酸が結合したヌクレオチドが単位となり多数鎖状に結合したものである。糖・リン酸のくり返しでできた2本の鎖が平行に並び、それがねじれてらせん状になり、その内側では塩基のA(アデニン)とT(チミン)、G(グア ニン)とC(シトシン)とが対になって結合し塩基対をつくるという、二重らせん構造をしている。この塩基対の並び方に遺伝情報が組みこまれ、生物体の体内で行われる化学変化の役割をになう酵素をはじめ、あらゆるタンパク質の合成を支配し、生物体の形質を現すはたらきをしている。

二重らせん構造
ヌクレオチドどうしは糖とリン酸のところで互いに結合して長い鎖のようになっている。そして、この鎖(ヌクレオチド鎖)2本が互いの塩基どうしで結合してゆっくりとらせんに巻いており、このような構造を二重らせん構造という。

RNA(リボ核酸)

DNAの遺伝情報を細胞質中のリボソーム(タンパク質を合成するはたらきをする)に伝えたり、伝えられた遺伝情報に基づくアミノ酸をリボソームまで運んできて、タンパク質の合成に関わったりしている。RNAは、核の中だけでなく細胞質中にも含まれている。

  • リボソーム…植物、動物のどちらの細胞にも見られ、タンパク質を合成するはたらきをする。
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生物の進化の過程

動物の進化の過程図
過去の地質時代に全盛期が終わっていながら、現在まで生きのびている生物。化石として出てくる祖先の特徴を多く残しているので、生物の進化のようすや地質年代の環境などを研究するための貴重な存在になっている。遺存種ともいい、オウムガイ・カブトガニ・カモノハシ・ハイギョ・イチョウ・シダ植物・ゼニゴケなどがある。

シソチョウ(始祖鳥)

シソチョウ(始祖鳥)の化石が、1861年ドイツ南部の1億5千万年前の地層の中で発見された。鳥の祖先と考えられ、大きさは現在のハトぐらいである。シソチョウが、ハ虫類と鳥類の中間の特徴をもつ生物であると考えられる。

<シソチョウの特徴>

  • 鳥類の特徴…翼をもち、羽毛が生えている。
  • 八虫類の特徴…口に歯があり、前あし(翼)につめのついた指、長い骨のある尾翼がある。(鳥類の尾翼には骨格がない)

以上のことから、鳥類は八虫類から進化してきたと考えられる。

シーラカンス

シーラカンスは、生きている化石の1つで、中生代の終わりごろに絶滅したと考えられていた。しかし、その後、生きたものが捕獲され、南アフリカ南東部のコモロ諸島やインドネシアのスラウェシ島北端の深い海に生息していることが確認されている。

  • 魚類から両生類への進化の過程の生物
  • 外見は魚だが、ひれが足のような作りに変化してきています。

メタセコイア

メタセコイアは、日本名をアケボノスギという。日本の新生代の地層から化石として産出する。絶滅したと考えられていたが、1945年中国の四川省で現生種が発見された。この種子が各方面に配布されている。生育が非常にはやく、冬は葉が小枝ごと落ちる。

カモノハシ

  • ハチュウ類からホニュウ類への進化の過程の生物
  • 体毛があり外見は哺乳類ですが、卵生の動物です。
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生物の特徴や生活

生物の特徴や生活のしかたからわかることとして、体のしくみや生活のしかたから、次のように考えられます。

  • セキツイ動物…魚類、両生類、ハチュウ類、鳥類、ホニュウ類の順に、水中の生活から陸上の生活に適したものになっている。

相同器官

ある生物が変化して別の生物が生じることをしめす証拠の1つであると考えられています。相同器官の中には、ヘビやクジラの後ろあしのように、はたらきを失い痕跡のみとなっているもの(痕跡器官)もあります。

見かけ上の形やはたらきがちがっていても、発生の起源や基本的構造が同じ器官を相同器官という。 ヒトの手、イヌの前肢、クジラの胸びれ、コウモリの翼は、形もはたらきも異なるが、これらの骨格を比較すると、基本的な構造は同じで共通の祖先から変化してきたものと考えられる。また、鳥の翼やワニの前肢を比較しても同様である。

  • 相同器官の存在は、それらの生物が共通の祖先から発生し、異なる環境に適応し、進化してきた結果と考えることができる。
相同器官のその他の例

  • 花弁がく、めしべ、おしべ、エンドウの巻きひげ、ウツボカズラの捕虫葉(いずれも葉が変化したもの)。
  • ヒトなどの肺と魚の浮きぶくろ。

相似器官
形やはたらきは似ているが、発生の起源が異なる場合は、相似器官という。

  • (例)鳥の翼(前肢)とチョウのはね(表皮)。ジャガイモのいも (茎)とサツマイモのいも (根)。

痕跡器官
祖先の生物では、はたらきをもっていたが、現在の動物では退化してはたらいておらず、痕跡しか残っていない器官を、痕跡器官といいます。

ダーウィンの進化の考え方
生物は多くの代を重ねる間に変化するもの、でその結果新しい種が生じてきたのではないかと考えた。

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【対策問題】生命のつながり

【問1】次の問いに答えなさい。
(1) 自家受粉によって、親・子・孫と代を重ねても、その形質が全て親と同じであるものを何というか。
(2) エンドウの種子の丸形としわ形のように、同時に現れない2つの対になる形質を何というか。
(3) 対立形質をもつ純系どうしをかけ合わせたときに子に現れる形質を何というか。
(4) 対立形質をもつ純系どうしをかけ合わせたときに子に現れない形質を何というか。
(5) 優性形質を現す純系の個体と、劣性形質を現す純系の個体をかけ合わせたとき、子には優性形質だけが現れることを何の法則というか。
(6) 対になっている親の遺伝子は、生殖細胞ができる減数分裂のときに、分かれて別々の生殖細胞に入ることを何の法則というか。
(7) エンドウで、丸形の種子の純系の個体としわ形の種子の純系の個体をかけ合わせたとき、子にできる種子は丸形、しわ形のどちらか。
(8) エンドウで、子にできる種子が丸形のとき、種子の形について潜性形質(劣性形質)であるのは、丸形、しわ形のどちらか。
(9) 形質のもとになっている、遺伝子の本体である物質を何というか。
(10) 遺伝子は変化することはあるか、ないか。

【問2】遺伝の実験について、次の問いに答えなさい。
(1) 19世紀の中ごろにエンドウを用いた遺伝の実験を行い、遺伝の規則性について研究内容をまとめて報告した人物の名前を、次のア~エから 1つ選びなさい。
ア:ガリレイ イ:ダーウィン ウ:オーム エ:メンデル

(2) 次の文は、エンドウの種子の形(丸、しわ)に注目して行った実験について述べたものである。(  )にあてはまる言葉や数をそれぞれ書きなさい。

①丸い種子をつくる純系のめしべに、しわのある種子をつくる純系の花粉をつけて他家受粉させたところ、できた種子はすべて(   )種子であった。

②①でできた種子をまいて育てたエンドウが自家受粉すると、丸い種子としわのある種子ができた。このとき、丸い種子としわのある種子の数の比は(   ):1であった。

【解答・解説】生命のつながり

【問1】の解答
(1) 純系

純系は、自家受粉によって、親、子、孫と代を重ねても、その形質が全て親と同じであるもの。

(2) 対立形質

対立形質は、エンドウの種子の丸形としわ形のように、同時に現れない2つの対になる形質。

(3) 顕性形質(優性形質)

顕性形質(優性形質)は、対立形質をもつ純系どうしをかけ合わせたときに子に現れる形質。

(4) 潜性形質(劣性形質)

潜性性質(劣性形質)は、対立形質をもつ純系どうしをかけ合わせたときに子に現れない形質。

(5) 顕性の法則(優性の法則)

顕性の法則は、顕性形質を現す純系の個体と潜性形質を現す純系の個体をかけ合わせたとき、子には顕性形質だけが現れること。

(6) 分離の法則

顕性の法則と分離の法則は、メンデルが発見した。分離の法則は、対になっている親の遺伝子は、生殖細胞ができる減数分裂のときに、分かれて別々の生殖細胞に入ること。

(7) 丸形

(8) しわ形

子に現れた丸形の形質が顕性形質、子に現れ なかったしわ形の形質が潜性形質である。

(9) DNA(デオキシリボ核酸)

DNA(デオキシリボ核酸) は、形質のもとになっている遺伝子の本体である物質。

(10) ある。

遺伝子は不変なものではなく、まれに変化することがある。

【問2】の解答
(1)エ

メンデルは、エンドウを栽培し、顕性の法則や分離の法則などの遺伝の規則性を発見した。

(2)①丸い ②3

顕性形質を現す純系の個体と潜性形質を現す純性の個体をかけ合わせたとき、子には顕性形質だけが現れる。子のエンドウを自家受粉すると、丸い種としわのある種子が3:1の数の比で現れる。

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