「そんなこと、ないと思うよ。」「元気がないときは、早く寝よう。」一見同じように見える「ない」ですが、文法的には形容詞の「ない」と助動詞の「ない」があります。
テストや入試でもよく問われるこの違い、ちゃんと説明できますか?
この記事では、中学生がつまずきやすい「ない」の見分け方を、意味や使い方の違いとともにわかりやすく解説します!
「ない」の見分け方
打ち消しの助動詞「ぬ」と置き換えて意味が通るかどうか確かめてみる。
- 「ぬ」に置き換えられる →助動詞
- 置き換えられない →形容詞(形式形容詞)
「形容詞は「存在しない」の意味を表し、形式形容詞は「打ち消し」の意味を表します。また、 形式形容詞は、直前に「は・も」を入れることができます。
「ない」の例
- 今日は授業がない。→形容詞
- 明日は忙しくない。→形式形容詞
- 蛍の命ははかない。→形容詞の一部
- 展覧会へ行かない。→助動詞
形容詞の「ない」のポイント
- 事物の性質や状態を表す
- 単独で述語になれる
- 終止形は「い」で終わる
- 活用は、一種類で命令形はありません
助動詞の「ない」のポイント
- 用言や他の助動詞に付いて、いろいろな意味を加えます。
- 体言や助詞に付いて、その文節を述語にする働きがあります。
形容詞活用型の助動詞
- 「ない」否定…打ち消す (例)雨の日は外へ出ない。
- 「たい」希望…望むこと (例)行きたい、見たい、食べたい。
- 「らしい」推定…事実に基づいた推量 (例)彼はすでに行ってしまったらしい。
形容詞・助動詞の「ない」練習問題
次の文の「ない」の種類を、あとから 一つずつ選びなさい。
- 池に水がない。
- そこにはいない。
- 駅は遠くない。
ア 形容詞
イ 形式形容詞
ウ 形容詞の一部
エ 助動詞
形容詞・助動詞の「ない」解答
- ア
- エ
- イ
以上が、中学国語・文法「ない」の見分け方です。「ない」は形だけではなく、文の意味や働きから判断することがポイントです。形容詞と助動詞の違いをしっかり理解すれば、文法の読解力もぐんとアップします。苦手意識をなくして、「ない」を味方につけましょう!
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