中学1年生の国語の教科書に登場する、今江祥智による短編小説『竜』。一見ファンタジーのような世界に描かれた、竜の子・三太郎の物語には、私たちが日々の生活の中で直面する「自分らしさ」や「他者との関わり」が丁寧に描かれています。この記事では、『竜』のあらすじや物語のポイントをわかりやすく解説し、予想問題、ポイントについてご紹介します。
・三太郎の心情の変化に着目しよう(気が弱い微笑から気が弱そうな苦笑い)
・擬声語、擬態語を探してみよう。
・三太郎が理由を探そう。
竜の定期テスト対策予想問題
教科書の竜の「ふと手を休めて前を見ると~体を眺めているばかりであった。」部分を読んで次の問いに答えなさい。
問1 「途方もなく大きなうなぎ」の「途方もなく」の意味として、適切なものを次のア~エより1つ選び、記号で答えなさい。
ア意味がない イずぬけている ウ終わりがない エ引けをとる
問2 「きゃっとわめいて、飛びあがった」結果、樽やんはどうなったか、文章中から十六字で抜き出しなさい。
問3 「上の様子をうかがっておった」とありますが、その理由として、適切なものを次のア~エより1つ選び、記号で答えなさい。
ア 自分が人気者かどうか心配だったから
イ 誰かが死んでいないか心配だったから
ウ 自分の存在が人に気づかれたか心配だったから
エ ずっと沼にいなければならないことが心配だったから
問4 「ところが、それがまたうわさになり」とありますが、「それ」の指す内容を、本文中の言葉を使って、四十五字程語で書きなさい。
問5 「幾巻もしている自分の巨大な体」とありますが、どれくらいの大きさなのか、本文中より十一字で抜き出しなさい。
竜の定期テスト対策予想問題の解答
問1 イ
問2 舟ごと岸にふぉっ飛ばされてしもうた
問3 ウ
問4 (例)三太郎がたまにため息をつくと、大きなあぶくが上がり、沼の周りの連中をあわてさせること。
問5 山を二巻もできるほど
竜のあらすじ・ポイント
中学1年生の国語教科書に収録されている今江祥智の作品『竜』は、気弱な竜の子・三太郎が成長していく物語です。
あらすじ
竜の子・三太郎は、雲を呼び風を起こす力を持ちながらも、気が弱く、沼の底でひっそりと暮らしていました。ある日、村人に見つかり、神として祀られることになります。最初は戸惑っていた三太郎ですが、次第に自信を持ち始め、村人のために雨を降らせるなどの行動をとるようになります。物語は、彼が自らの力を受け入れ、成長していく姿を描いています。
学習のポイント
- 自己受容と成長:三太郎が自分の力を受け入れ、他者のために行動するようになる過程は、自己成長の重要性を示しています。
- 人間と自然の関係:竜を神として祀る村人の行動は、人間が自然や未知の存在に対して抱く畏敬の念を表しています。
- 表現技法の工夫:物語では、擬音語や比喩などの表現技法が効果的に使われており、登場人物の心情や情景を豊かに描写しています。
この作品は、自己理解や他者との関わり、自然との共生など、多くの学びを提供してくれます。授業では、三太郎の心情の変化や物語の構成、表現技法に注目して読み進めると良いでしょう。
『竜』は、竜の子・三太郎の成長を通じて、自己を認め、他者とつながっていくことの大切さを静かに語りかけてくれる作品です。中学1年生という思春期の入り口に立つ読者だからこそ、自分の弱さとどう向き合うか、人とどう関わるかを考えるきっかけになるでしょう。教科書を超えて、心に残る一冊となるはずです。
コメント
問い3の答えは、エではないですか?
質問にお答えしますね。
三太郎は、人に見つからずに沼にいたかったのに、樽やんに見つかってしまいました。その後は、沼にいるときも、他にも、自分の存在を知られてしまったかもしれないと心配していることが想像できるので、ウが答えになると思います。