高校の推薦入試では、成績や面接と並んで「志望理由書」が合否を左右する重要な書類です。限られた文字数の中で、自分の思いや志望校への熱意をどのように伝えるかが合格へのカギとなります。この記事では、志望理由書の基本構成や書き方のコツ、注意すべきポイントを具体的に解説します。初めて書く人でも安心して取り組めるよう、例文も交えて丁寧に紹介します。
【基礎】高校入試志望理由書の5つのポイント
① 志望動機を明確にする
→「なぜこの高校を選んだのか」を明確に、かつ具体的に書く。
例文:「私は貴校の“探究活動”に力を入れている点に魅力を感じました。中学生のときから社会問題に関心があり、自分で課題を見つけ、深く調べて考える力を高めたいと思っています。」
② 自分の経験と結びつける
→ 過去の体験や活動と、高校での学びをリンクさせる。
例文:「中学では生徒会活動に取り組み、行事の企画や運営に携わってきました。貴校のボランティア活動や地域との連携にも関心があり、自分の経験を活かして積極的に参加したいと考えています。」
③ 将来の目標とつなげる
→ 高校での学びが将来にどうつながるかを伝える。
例文:「将来は心理学を学び、人の心に寄り添える仕事に就きたいと考えています。貴校の“人間科学コース”では、心理や福祉の基礎を学べると知り、この目標への第一歩として志望しました。」
④ 校風や教育方針への共感を示す
→ パンフレットや学校説明会の内容を具体的に引用すると◎。
例文:「オープンスクールで先輩方が明るく主体的に活動している姿を見て、貴校の“自主・自立”という教育方針に深く共感しました。私も自ら考え、行動できる生徒を目指したいです。」
⑤ 謙虚で前向きな姿勢を表す
→「成長したい」という意欲を忘れずに。過信ではなく謙虚に。
例文:「まだまだ知識や経験は足りない部分も多いですが、貴校での学びを通して視野を広げ、人として成長していきたいと考えています。」
「私は将来、地域に貢献できる公務員になりたいという目標があります。中学では地域清掃ボランティアや防災訓練に参加し、地域を支える仕事に魅力を感じました。貴校の“地域課題探究”の授業に強く惹かれ、実際に地域に出て学ぶというスタイルに魅力を感じて志望しました。学びの中で自分の課題解決力を高め、将来の夢の実現に近づきたいです。」
【応用】より評価を受けるために志望理由書の書き方
具体的には、「あなたはどんな人物か。どんな考え方をする人か。」など、この学校(志望校)でがんばれる人なのか。この学校(志望校)に会っている(マッチしている)人のなのか。そこが知りたいので、志望理由書の提出があります。
文章には、その人の人柄、性格、ものの考え方が表れます。文章や言葉は、一日してはならず、これまで生きてきたそのものが反映されます。なので、あなた自身の姿を、考え方、志望理由を知りたいというものだと思っていいです。
自分の考えを示す
「自分の考え」がはっきり伝わるように書くことがポイント
志望理由書では、「どんな理由で志望するのか。」「あなたはどんな人か。」とか、「こんな場合、どう考え、どう行動するのか。」という問いが投げかけられているわけです。
なので、志望理由書では、「こういう理由で志望します。」「私はこういう人です。」「こう考え、こう行動します(行動しました)。」のように、記述していくことになります。
つまり、「志望理由」「自分の考え」がはっきり伝わるように書いていくことになります。ここがはっきりしていれば、得点にも結びやすくなり「合格に値する人だ」と受け取ってもらえる作文となっていきます。
基本のルールも大事
用紙の使い方や文章を成立させることも大事です。志望理由書だから文章のうまい方がいいわけですが、作家のような文学者を求めているわけではありません。ここでも繰り返しになりますが、あなたの真剣な姿、前向きな考え方が表れていることが大事です。
最後まで書ききる
文章には、人柄が出てしまいます。例えば、誤字・脱字が多い文章だと、「だらしない人物だ」、文体の不統一は「注意力が足りない」ととられることがあります。
また、文字の書き方にもチェックが入ります。もちろん、文字は美しく丁寧な方がいいですが、下手な文字でもきちんと書けていれば問題はない。逆に、乱暴な字は、そのまま人柄がそうだという印象を与えるし、極端に薄い文字も「自信のなさの表れ」と受け取られやすいです。
このように、志望理由書には人柄が大きく反映することを心にとめておきましょう。
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