「係り結びってなに?」「どうして文末が変わるの?」
古文に出てくる“係り結びの法則”は、中学生がつまずきやすいポイントの一つ。でも、ルールをしっかり覚えれば、文の構造がスッキリ見えて、読解力もアップします!
この記事では、係り結びとは何か、その種類や見分け方、そして覚え方のコツを丁寧に解説します。
係り結び
古文の文中で、係助詞の付いている文節が係っていく文節の末尾が、終止形ではなく、連体形や已然形で結ばれることを、係り結びという。
簡単に言えば、
係助詞が出てきたら、文末の動詞や形容詞が特別な形に変わる
ということです。
係助詞が出てきたら、文末の動詞や形容詞が特別な形に変わる
ということです。
よく使われる係助詞と結びの形
係助詞 | 文末の変化(結びの形) | 意味・働き |
---|---|---|
ぞ | 連体形 | 強調 |
なむ | 連体形 | 強調(やや上品な感じ) |
や | 連体形 | 疑問・反語 |
か | 連体形 | 疑問・反語 |
こそ | 已然形(※逆接になることが多い) | 強調 |
係り結びの組み合わせ
係助詞は「係りの助詞」ともいう。
係助詞ぞ・なむ
- 結び…連体形
- 意味…強調
- 例…花ぞ昔の香ににほひける(花は昔のままの香りて咲きにおっている)
係助詞や・か
- 結び…連体形
- 意味…疑問、反語
- 例…日の入る所と洛陽と、いづれか遠き。 (日が沈む所と洛陽では、どちらが遠いか。)
係助詞こそ
- 結び…已然形
- 意味…強調
- 例…一生を苦しむるこそ愚かなれ。(一生を苦しめるのは愚かなことだ。)
反語は、疑問の形で「…だろうか、いや、…ない」などと訳す。
現代語訳する場合、強調(ぞ・なむ・こそ)は特別な表現を用いる必要はない。
已然形とは、古文特有の活用形。
さらに例文で見てみよう
▶「ぞ」「なむ」の例(強調)
この花ぞ美しき。
(この花が本当に美しいのだ。)
彼なむ学問に優れたる人なり。
(彼はまさに学問に優れている人だ。)
文末が連体形(「き」「たる」など)になっていることに注目!
▶「や」「か」の例(疑問・反語)
月は今宵や出でたる。
(今夜、月はもう出たのだろうか?)
この世に悲しきことかあらむ。
(この世にこれほど悲しいことがあるだろうか、いや、ない。)
疑問や反語の意味を持ち、結びはやっぱり連体形!
▶「こそ」の例(強調+逆接)
花は咲きこそすれ、実はならず。
(花は咲くけれども、実はならない。)
「こそ」は例外的に文末を**已然形(すれ・ずなど)**に変えるので要注意!
さらに、「逆接(~けれども)」のニュアンスになることもあります。
以上が、中学国語・古文「係り結びの法則」となります。係り結びの法則は、古文の文構造を理解するうえで欠かせない基本ルールです。よく出る係助詞と結びのセットをしっかり覚え、文末の変化に注目することで、古文の読解がスムーズになります。ぜひ、今回の内容を活かして実力アップにつなげましょう!
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