高校入試対策・社会「よく出る文化の歴史まとめ」です。文化史については、大きな流れ、各文化の特徴、人物、作品をおさえることはもちろん、その歴史背景までおさえておくことが必要です。それでは、高校入試対策・社会「よく出る文化の歴史まとめ」です。
よく出る文化の歴史まとめ
縄文文化
植物の栽培が始まりましたが、食料が豊富なため狩りや採集が多く、農耕・牧畜あまり発達しなかったです。
- 貝塚…海岸や水辺にできた食べ物の残りかすなどを捨てたあとです。
たて穴住居…地面を彫りくぼめて柱をたて、その上に屋根をかけた住居。人々は集団を作って暮らしていました。 - 土偶…魔除けや植物の豊かさにいのる時に使われたと考えられます。
- 遺跡…三内丸遺跡(青森県)など
大人になったことを示す抜歯や、使者の霊を災いを防ぐために屈葬などもありました。
弥生文化
稲作とともに大陸から伝わります。
- 青銅器…祭りのための宝物(銅鏡・銅鐸・銅剣など)
- 鉄器…武器や工具として用いられています。
- 弥生土器…高温で焼かれたため赤褐色をしています。薄手で固めの土器です。
古墳文化
- 古墳…表面に石が敷き詰められています。円筒型や人物、家屋、馬などの形をした土制の埴輪が置かれました。
- 石室(死者をおさめた棺を置くための部屋)や棺…銅鏡、王、銅剣などの祭りの道具が、後には、かんむり、馬具、鉄製の武器や農具が収められました。
飛鳥文化
飛鳥文化は、大王がいた飛鳥地方(奈良盆地南部)を中心に栄えました。日本で最初の仏教文化です。朝鮮半島からの渡来人、南北朝時代の中国のほか、インドや西アジアなど文化の影響を受けました。法隆寺の釈迦三尊像など。
天平文化
唐の制度や文化を取り入れるためたびたび遣唐使を派遣しました。天平文化は、聖武天皇のことの「天平」年間を中心とする仏教文化です。唐、西アジア、インドなどの文化の影響を受けた国際直豊かな文化です。
- 東大寺の正倉院…校倉造で、聖武天皇の遺品などをおさめた宝庫で、シルクロードをとって西アジアやインドから伝わった工芸品もおさめられています。
- 行基…一般の人々の間で不況。橋や用水路をつくりました。
- 鑑真…日本にわたろうとして何度も遭難し、盲目になって来日した唐の僧。正しい仏教の教えを広めました。また、唐招提寺も建てました。
- 古事記と日本書紀…神話や伝承、記録などをもとにまとめた歴史書。
- 風土記…地方の国ごとに、自然、産物、伝説などを記した地理書。
- 万葉集…天皇や貴族、防人や農民などの和歌約4500首をおさめてあります。大伴家持がまとめたといわれています。
国風文化
日本の風土や生活、日本人の感情に合った貴族たちの文化が生まれます。これが国風文化です。
- かな文字…漢字を変形させて、日本語の発音をあらわせるようにくふうした文字です。人々の感情を書き表せるようになりました。
- 紀貫之…天皇の命で和歌集の古今和歌集を編集
- 紫式部…源氏物語
- 清少納言…枕草子
- 大和絵…日本の自然や風俗をえがいた絵。「源氏物語絵巻」など。
- 浄土信仰…念仏を唱えて、阿弥陀如来にすがり、死後に極楽浄土へ生まれ変わることを願う思想。
- 極楽浄土…阿弥陀如来がいる、あらゆる苦しみのない世界です。
- 平等院鳳凰堂…京都の氏に藤原頼道が建立しました。阿弥陀如来の像やそれをおさめる阿弥陀堂がつくられました。
鎌倉文化
優れた朝廷の文化で貴族は朝廷の文化を見直します。親しみがあり、力強い感じをあたえる文化。
- 新古今和歌集…後鳥羽上皇の命令で編集されます。藤原定家などの貴族、僧の西行などの和歌を集めます。
- 方丈記…社会のむなしさを鴨長明が記しました。
- 東大寺の再建…民衆の寄付を進められまた。
- 金剛力士像…運慶による力強い彫刻作品です。南大門に置かれました。
- 平家物語…軍紀物。口語を交えたわかりやすい文章。源平の争乱での武士の活躍を描きました。琵琶法師によって語り伝えられました。
- 徒然草…兼好法師が生き生きとした民衆の姿を取り上げられました。
室町文化
室町文化の特色は、公家の文化と武家の文化の融合です。南北朝時代には、大陸型の文化の影響を受けました。鎌倉時代に栄西から宋からもたらした茶を飲む習慣ができました。茶の産地を当てる会から茶の湯として流行していきます。貴族や武士、僧の集まる会では、華麗な花や豪華な食事となりました。
- 連歌…人々が集まって和歌の上の句と下の句を次々によむ。
- 猿楽や田楽…観阿弥・世阿弥親子が能として大成します。
北山文化
- 金閣…足利義満が京都の北山に建てます。
- 北山文化…義満の時期の文化です。
武家文化
武家文化が成長し、15世紀後半以上、武家をにない手とする簡素で気品のある文化となりました。
- 書院造…寺院の部屋の様式を武家の住居に取り入れました。
- 東求堂同仁斎…銀閣と同じ敷地にあり、足利義政の書斎でした。
- 水墨画…墨一色で自然などを表現し、雪舟が、中国にわたって絵画技法を学び、帰国後、日本の水墨画を完成させます。
- 庭園…石や木をたくみに配置した庭園で、河原者とよばれていた人々による。龍安寺(京都市)の石庭など。
東山文化
- 銀閣…足利義政が京都の東山に建てました。
- 東山文化…義政の時期の文化。
- 狂言…能の合間に演じ、民衆の生活や感情をよくあらわしていました。
- 教育…地方の武士や都市の有力者は、寺で子どもに教育をうけさせていました。
- 御伽草子…「一寸法師」などの絵入りの物語。
- 足利学校(栃木県)…戦国大名の上杉氏が保護。日本国内からの人材が集まり。儒学を学びます。さまざまな情報を交換。知識を各地に伝えます。
桃山文化
大名や大商人の権力や富を背景に豪華で壮大な文化が発達しています。
- 城…安土城、大阪城、姫路城など壮大な天守閣を持ちました。
- 絵画…狩野永徳の唐獅子図屏風など
- 茶の湯…堺の商人千利休が質素なわび茶を大成させます。
- 民衆の文化…浄瑠璃が琉球(沖縄県)から伝わった三線をもとにつくられた三味線に合わせて語られました。出雲の阿国が始めたかぶき踊りも流行しました。
- 衣服…小袖が一般的になりました。庶民の衣服は麻から木綿に。
南蛮文化
ヨーロッパの文化から影響を受けて成立した芸術や流行の風俗。
- 天文や医学、航海術など、新しい学問や技術が伝わりました。
- 狩野派の画家が南蛮船入港の様子をえがく、ヨーロッパ風の絵画、宗教画。
- 活版印刷術が伝えられ、正著、平家物語などの書物がローマ字で印刷されました。
- 衣服は、金のくさりやボタン、ヒダのあるえりがついたヨーロッパ風の衣服。十字架をかたどった首飾り。
元禄文化
元禄文化は、京都や大阪の上方で発達した町人を担い手とする文化。
- 学問…日本の歴史は古典に関する研究、農学、数学、天文学の発達。
- 井原西鶴…武士や町人の生活をもとに小説である浮世草子を書く。
- 近松門左衛門…心中など現実に起こった事件を元に人形浄瑠璃の台本を書く。曽根崎心中など。
- 歌舞伎…演劇として発達。上方にに坂田藤十郎。江戸に市川團十郎。
- 松尾芭蕉…自己の内面を表現する作風を生み出し、俳諧(俳句)を芸術に高める。奥の細道など。
- 尾形光琳…大和絵風の華やかな装飾画を大成。俵屋宗達の影響。
- 菱川師宣…町人の風俗を描き、浮世絵の祖となる。
化政文化
文化・文政年間の江戸を中心に庶民を担い手とする文化。
- 歌舞伎…舞台や演目が工夫される。
- 落語の寄席。
- 大相撲の興行。
- 浮世絵…鈴木春信が錦絵(多色刷りの版画)を始める。
- 美人画の喜多川歌麿
- 風景画の葛飾北斎(富嶽三十六景)、歌川(安藤)広重
- 文芸…幕府の批判や世相を皮肉る川柳、狂歌、滑稽本が出版。十返舎一九(東海道中膝栗毛)
- 長編小説…歌川馬琴(南総里見八犬伝)
- 俳句…絵のような風景を表現する与謝蕪村。農村の素朴な感情を読む小林一茶。
- 私塾…大阪の医者緒方洪庵の適塾。オランダ商館医者シーボルトの医学塾。
- 藩校…武士に学問や武道を教えて、人材の育成を図る。
- 寺子屋…町や農村にできる「読み・書き・そろばん」などの実用的な知識を教える。
- 国学…本居宣長は、日本古来の伝統を評価する古事記伝を著し大成。
- 蘭学…杉田玄白が「解体新書」を出版し、オランダ語でヨーロッパの文化を研究する文学の基礎を築く。
- 伊能忠敬…全国の湾岸線を測量し、正確な日本地図を作成。
文明開化
欧米の文化が取り入れられ、都市を中心として伝統的な生活が変化し始めたこと。
- 神戸・横浜など開港地から新しい文化が広がる。
- 役所・学校などで、レンガ造りの欧米風の建物が増える。
- 道路には人力車・馬車が走り、ランプやガス灯がつけられる。
- 洋服やコート、帽子が流行し、牛肉を食べることが広がる。
- 太陽暦が採用され、1日24時間、1週間を7日となる。
明治文化
アメリカ人のフェノロサが岡倉天心とともに、日本の美術の復興に努める。また、日本画の横山大観(無我)、狩野芳崖、彫刻の高村光雲が近代的な日本の美術を切り開きました、
黒田清輝が印象派の画風を紹介し、「湖畔」などを描きました。荻原守衛は欧米の近代的な彫刻を制作。滝廉太郎が「荒城の月」や「花」を作曲。
- 言文一致…文語の表現にかわって、話すように文章を書く。二葉亭四迷が小説で使用。
- 日清戦争前後…個性を重んじるロマン主義が主流。与謝野晶子、樋口一葉(たけくらべ)、島崎藤村など。
- 日露戦争前後…社会の現実を直視する自然主義が主流。その一方で、夏目漱石(坊ちゃん)、森鴎外が知識人の姿をえがいた小説を発表。
大正文化
明治時代末期に義務教育がほぼいきわたりました。中等・高等教育の普及が進み、中学校や女学校への進学率が高まりました。大学や専門学校が増え、多くの知識人が生まれました。小学校では、個性を大切に、自主性を重視する自由教育の運動も始まりました。
新聞、週刊誌、総合雑誌の部数が増加。文学全集、文庫本の出版などの文化の大衆化がおこりました。トーキー(有声映画)の登場、蓄音機、レコードの普及で歌謡曲が流行。また、1925年ラジオ放送が始まり、新聞と並ぶ情報源となりました。
- 学問…西田幾多郎が「善の研究」で東洋に西洋の哲学を統一・
- 文学…人道主義の理想を掲げた白樺派の志賀直哉の「暗夜行路」、谷崎潤一郎、芥川龍之介の「羅生門」「地獄変」があり、小林多喜二のプロレタリア文学も登場しました。
- 美術…安井曾太郎や梅原龍三郎。
- 音楽…日本で最初のプロ・オーケストラ組織した洋楽の山田耕筰。邦楽の宮城道雄。
都市の生活
欧米風の生活様式が流行。文化住宅が流行し、ライスカレー・コロッケなど洋食。洋装も定着。バスガールや電話交換手など働く女性も増加しました。
昭和文化
- テレビ、洗濯機、冷蔵庫など家庭電化製品や自動車が普及し、スーパーマーケット広がる。
- 1964年にアジアで最初の東京オリンピックが開かれる。これに合わせて、東海道新幹線や高速道路が開通する。
- 国民の多くが中流意識を持つ。テレビなどマスメディアが発達。高校・大学への進学率も上昇。
- 社会問題…農村では、人口が著しく減少し、社会生活を維持することが困難になる過疎化が進む。都市では、人口や産業が集中しすぎる過密が進み、交通渋滞や住宅不足、ゴミ処理問題などが起きる。
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