高校入試数学では、図形の折り返し問題と三平方の定理が組み合わさった応用問題が頻出です。見た目に惑わされず、本質を見抜く力が求められます。この記事では、折り返し図形のポイント、三平方の定理の使いどころ、そして入試に出やすいパターン問題の解き方をわかりやすくまとめています。苦手な人でも「なるほど!」と思えるコツが満載です!
折り返し図形と三平方の定理の問題
図において、四角形ABCDは縦18cm、横30cmの長方形である。PD=PQ、PAは∠DPQの二等分線であるとき、次の問いに答えよ。
(1)AQの長さを求めよ。
(2)PQの長さを求めよ。
(3)APの長さを求めよ。
折り返し図形と三平方の定理の問題解答
(1)30

必ず
相似な図形 △EBF∽△FCD ができる。
【合同である証明】
△AEDと△FEDにおいて
DE=DE(共通)…①
AE=FE(仮定)…②
∠ACE=∠FDE…③
2辺とその間の角がそれぞれ等しいので、△AED≡△FED
相似である証明】
△EBFと△FCDにおいて
∠EBF=∠FCD=90°…①
∠EFB=90°-∠DFC…② ∠FCD=90°-∠DFC…③
②③より、∠EFB=∠FCD…④ ①④より、2組の角がそれぞれ等しい。
よって、△EBF∽△FCD
(2)10
またBQは、△AQBに着目して、三平方の定理を利用し、BQ2=AQ2-AB2より、BQ=24となる。
ここで、△AQB∽△QPCなので、AQ:QP=BQ:CPより、30:x=(18-x):24 これを解くとx=10となる。
(3)10√10
折り返し図形 × 三平方の定理のよく出る解き方と頻出パターン
1. 基本の考え方
折り返し図形では、点の移動や折り返し後の線の長さ・位置関係に注目します。特に「折り返された点」と「元の点」を結ぶ直線が三角形を形成するケースが多く、そこに三平方の定理(ピタゴラスの定理)を使うのが定番です。
2. よく出るパターン問題と解き方
パターン①:点Aを線分に折り返したときの最短距離問題
・ポイント:折り返した点A’とある点Bを結んだ直線を考えると、最短距離の直線になる
・使い方:A’Bを対角線とする直角三角形を作って、三平方の定理でABの長さを求める
パターン②:折り返してできた三角形の辺の長さを求める問題
・ポイント:折り返した後の図形にできた直角三角形に注目
・使い方:垂直や合同に注目し、折り返し前の長さから三角形の2辺がわかれば、残りの1辺を三平方の定理で求める
パターン③:折り返しによる「重なり」や「交差」の角度・長さを求める問題
・ポイント:線対称の性質と直角三角形を組み合わせて考える
・使い方:補助線を引き、直角三角形の構造を見抜く → 三平方の定理で長さを計算
3. 解くときのコツ
1.補助線を迷わず引く
2.直角三角形を見つけたら三平方を疑う
3.図を大きく丁寧に描くことで、関係性が見えやすくなる
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